現在よく見るお風呂には、大きく分けて5種類の素材があります。
・ERP(ガラス繊維強化プラスチック)
・人工大理石(アクリル系・ポリエスティル系)
・ホーロー・ステンレス
・木(ヒノキ・ヒバ)
え?そんなに?!うちのお風呂どれだろう??
実は素材について気にしたことのない方はけっこう多いのです。
お洗濯では、衣類の素材によってお手入れの方法は異なりますね。
ウールなどは縮むため基本的に洗濯機でまわせませんし、
綿やレーヨンなどの自然の風合いの生地や色柄ものに
蛍光増白剤を使用できません。
お洗濯の洗剤は『デリケート・ウール専用』などの
用途別商品もメジャーなので、お手入れを間違いにくいと思います。
しかし、お風呂は素材によって
かなりお掃除の方法が違うことを
喚起していない洗剤が多く、注意が必要です。
今日は、ホーローのお風呂のお掃除方法について詳しくお伝えしていきますね。
目次
実はよく知らない・ホーローって何?他の素材との違いは?!
ホーローって何?とお思いのかたは、
ホーローはホーローという何かの素材かな?
と勘違いされていることが多いかもしれません。
実は、ホーローの中身は鉄です!
そしてその鉄にも二種類あり、
・鋳物(金属をとかし、鋳型に流し込んだもの※風呂の場合は鉄です)
・鉄板(鉄の板を溶接したもの)
に分けられます。
そして、鋳物や鋼板の表面に二酸化ケイ素を主成分とした
ガラス質の釉薬を高温で焼き付けてできるのが、ホーローです。
なるほど、つまりホーローのお風呂は
中身は鉄、表面はガラスコートというものなんですね。
それではさっそく、ホーローとほかの素材の比較をしていきましょう。
①価格②利点③欠点の3点を比べてみます。
ERP(ガラス繊維強化プラスチック)
①価格
約5〜35万円
②利点
多少の劣化であれば修復が可能。
修繕費用は透明なコーティングを施すもので、
相場は約2万~3万3千円前後。
ひび割れなどの補修を行った後、
上から色付きの塗料で塗装する方法で、
相場は約7~20万円前後。
③欠点
DIYで浴槽の補修・塗装が困難。
人工大理石 (アクリル系・ポリエステル系)
①価格
10〜120万円
②利点
アクリル系:
透明感や光沢があり見栄えがいい。
耐熱性・強度にすぐれ衝撃に強い。
汚れが付きにくく黄ばみにくい。
ポリエステル系:
価格が安い。
③欠点
ポリエステル系は質感や耐久性がやや劣る。
表面のコーティングが水を含むことに弱く、
膨れや剥がれなどの症状が表れると修復が難しく、
「24時間風呂」に不向き。
ステンレス
①価格
2〜30万円
②利点
耐久性・保温性に優れている。
傷やサビに強く、手入れが簡単。
比較的安価である。
③欠点
金属感にぬくもりがなく、肌触りが他に比べ悪い。
見た目が無機質である。
木
①価格
18~120万円
(ヒノキ30〜120万円・ヒバ25〜60万円・槙18〜80万円)
②利点
温かみがあり、香りが良い
耐久性と耐熱性に優れている。
③欠点
カビが付きやすく水垢で変色がおこる
ホーロー
①価格
8〜135万円
②利点
耐久性が高い。
表面のガラス加工が独特の美しさを持ち、高級感がある。
保温性が高い。
カビが生えにくい。
③欠点
劣化すると、表面のガラス質が剥がれ落ちて、
金属部分が剥き出しになる。
ガラスにヒビが入ると錆が発生しやすくなる。
ガラス質が一度剥がれると修復困難で、
業者による再塗装が必要となる。
重量があり、二階以上に設置しにくい。
鋳物は大量生産できないため、価格が高い。
ホーローのお風呂☆毎日のお手入れ方法と酷い汚れの正しい落とし方
比較してみると、それぞれにメリットデメリットがあることが分かりますね。
では、ホーローのお風呂の手入れ方法についてお伝えします。
≪毎日のお手入れ≫
ホーローはツルツルとしていて比較的汚れが落ちやすいため、
毎日掃除を怠らなければ、シャワーを当てながら
軽くスポンジでこするだけで、キレイになります。
ただ、湯垢は水滴が蒸発したあとに
水道のカルキ成分が残ると、日々付着していきます。
水を必ず最後はふき取ることが大切です。
面倒くさがりさんにおすすめの方法は
身体を拭いた後のバスタオルで
浴槽をざっと拭いて汚れと水滴を一気に掃除するやり方です。
完璧にとは言えませんが、
ほとんどの軽い汚れはタオルでもふき取ることが出来ます。
この場合は、週に一度は中性洗剤で念入りにお掃除をしましょう。
≪ひどい汚れの落とし方≫
クリームタイプのクレンザーを
スポンジか、柔らかめの雑巾に含ませて、
汚れた部分をこすります。
たまにお湯でぬらしながら、数回繰り返します。
ホーロー浴槽の表面のコーティングは
研磨効果のあるクレンザー・硬めのスポンジでこすると
傷がつきますので、注意して下さい。
茶色い汚れはさびがついたものです。
カミソリなどの金属を浴槽の付近に置いたままにしていると、
もらいさびといって、さびがうつりますので、注意が必要です。
茶色のさびに歯磨き粉をスポンジにつけて軽くこすります。
この場合も、硬いスポンジはNGです。
お湯が出る金具部分が変色している場合は、
銅管から水に溶けだした微量の銅の成分と、
石鹸に含まれている成分が反応してできたものでアルカリ性です。
酢かクエン酸を200mlに対して小さじ1の割合で溶かしたスプレーをふりかけて、
スポンジでこするとキレイにとれます。
(原液は強すぎるので金具を傷めますのでNGです)
さて、ここまででホーローのお風呂に関する注意点がいくつか出ましたね。
ホーローのお風呂には扱い注意点が大きく3つあります。
1★表面のガラスコーティングを傷つけないようにする
(スポンジは柔らかいものを選ぶ・メラニンスポンジもNG)
2★硫黄・鉄分・塩分が含まれる入浴剤は使わない
(サビの原因となります)
3★浴槽に洗剤を溶かした水・お湯を入れて放置しない
(着色する恐れがありますので、いすなどをつけ置き洗いもNGです。
入浴後お湯はすぐに抜いて下さい)
まとめ
さて、ホーローのお風呂についてお伝えしましたが、
意外と知られていないNG行動・掃除をしていませんでしたか?
思い当たる方は、既に傷がついたり着色している場合があります。
酷い場合は傷からサビが発生し、穴があくこともありますので、
もしそうなった場合は漏水の危険性もあります。
DIYで修繕するのはよほどの知識と技術がないと困難ですので、
程度がひどい場合は一度業者に相談してみた方が良いでしょう。