めでたくご結婚なされた新婚の皆様、おめでとうございます!
これから長い人生を二人三脚で歩んでいかれる訳ですが、お二人の足並みはそろっておられますか?
生活は衣食住と共にあります。
生活の足並みは、実は日々の家事にあると言えますね。家事を二人で協力して行えることが、家庭円満の秘訣なのです。
今日は、家事の分担を決めるタイミングとコツについて、心理学を交えてお伝えしていきたいと思います。
目次
日本は世界でも夫婦で家事分担をしない国?夫が甘える理由
結婚前から家事の分担をはっきりと決めているご夫婦は、日本ではあまり多くありません。
欧米では婚前契約を交わし、細かく取り決めるのがメジャーな方法ですが、なぜか日本には定着しない文化ですね。
合理的な話し合いよりも、オブラートに包んで暗黙の了解を選ぶ日本の民族性がよく表れていると思います。
さて、二人の家事の分担についてです。
一昔前なら夫が家事に関わるなんて聞いたことも無い!
というような風潮でしたが、最近の若いご夫婦は「夫も積極的に家事をしてくれる」という傾向が徐々に多くなってきたようです。
総務省「労働力調査(詳細集計)(年平均)」によると、平成6年を境に『共働き世帯』が『専業主婦世帯』を越え、
現在では共働き世帯は専業主婦世帯の約2倍にまで数を伸ばしています。
それに比例して、夫の家事参加時間も0.24時間から0.43時間へと増え、約2倍となっています。
世間でも徐々に男女の雇用に対する意識は高まっており、2007年に男女雇用機会均等法が改正されました。
その内容は、男女双方に対する差別を禁止し、差別禁止の対象が追加・明確化されました。
具体的な内容としては、『降格・職種変更・雇い止め・雇用形態の変更・退職勧奨・配置における業務の配分と
権限の付与における差別が禁止』となっており、女性の社会進出の大きな進歩となりました。
しかし世界の国々と比較すると、日本は男女平等とはとても言えません。
世界経済フォーラムが発表する男女平等ランキング(2013年)では
日本は105位と散々な結果となっています。
そんな妻が夫に比べて軽視されているとも言える日本で、何もせずに『家事をすすんでしてくれる』ことを結婚相手に望むのは無理があります。
「普通(狭い日本の中で)夫は仕事だけしていたらいいんじゃない?」というお任せモードな男性陣には、毅然とした態度で
『家事の分担』の提案をするべきなのです。
家事の分担を夫に切りだすのは最初が肝心!心理学を上手に利用する
『家事の分担を上手く提案する』ためには、最初が肝心です。
徐々に家事負担を増やす場合よりも、先に分担を決めていた方が上手くいく理由があります。
心理学で有名な『損失回避の法則』をご存じでしょうか?
人間は損得を判断するとき、3つの指標を持っています。
①利益を得られる状況では利益を逃すリスク(損失)を回避する。
②損失をこうむる状況ではリスクを負ってでも損失を回避する。
③損失が分かれる状況では利益を得る事よりも損失をこうむる事に敏感になる。
これは人間がはるか昔の生活から取得した性質で、『不安定な食糧事情』や『病気、ケガ、天敵、災害から身を守る』ために
≪反射的に損失リスクを遠ざける≫ことを身につけたのが原因だと言われています。
①②③を、分かりやすく新婚の家事分担に当てはめて考えてみましょう。
家事をすることが(損)だと考えると仮定します。
①②③の分かれ目は、新婚当初は家事の分担がゼロ(未決定)の
フラットな状態なので、してもらえることが『利益』となります。
①利益を得られる状況では利益を逃すリスク(損失)を回避する。
☆新婚当初に条件付きで自分の負担を提案する場合
「あなたが洗濯をしてくれるなら、私は食事を担当するわ。」
※ポイント
洗濯をする条件を飲むことで、食事を作ってもらうこと(利益)の取得することを選ぶため、洗濯をするという提案をのむ確率が高い。
(損得で言うと+1の状態)
②損失をこうむる状況ではリスクを負ってでも損失を回避する。
☆生活が始まって自分が家事を分担していて途中で条件付きの提案をする場合「あなたが洗濯をしてくれないのなら、私は食事をつくらないことにするわ。」
※ポイント
現在は洗濯も掃除もしてもらっているプラス2の状態で、食事を作ってもらえない(損失マイナス1)を回避するために、
洗濯するという損失(マイナス1)を負うため、嫌々ながら洗濯をすることを選ぶ。(つまり±0)
③損失が分かれる状況では利益を得る事よりも損失をこうむる事に敏感になる。
☆新婚または生活がはじまってから(いつでも)どっちが楽か分からない
条件の提案をする場合「洗濯と掃除をしてもらえないかな?してくれたら私は料理をするわ。」
※ポイント
損失が分からない(洗濯・掃除をする損失と料理をしてもらう利益が比べられない)場合、利益(料理をしてもらう)を
得ることよりも損失(自分が洗濯・掃除をする)を負う方に敏感になり、損失(自分が洗濯・掃除をする)ことを
回避する事に必死になるため、洗濯・掃除をしてもらう提案が通らない。(±?)
ここまでの例をまとめると①が一番スムーズなことは分って頂けると思います。
①初めに家事の分担を提案し、自分に有利に話を進めることが出来る例。
②家事の分担を言い出した場合に、提案が通ったように見えて夫との摩擦が生じる例。≪脅しでいう事を聞かせる≫
③家事の分担の優劣が分かりにくい場合、提案をのませることが出来ない例。
以上のことから、話し合いで大切なのは
★新婚当初に分担を話し合う
★分担については分かりやすく家事の難易度を示す
この2つを外さないように、初めにしっかり話し合っていただきたいと思います。
まとめ
さて、新婚の奥様『まだ家事の分担がきまっていない』とおっしゃるなら、大急ぎで家事の分担プランをつくりましょう!
コツは難易度を分かりやすく、損得を夫にしっかり示すことです。
言葉で言うだけでは、分かりにくいかもしれないということを理解して、作業にどのくらいの時間がかかるのか?
頻度はどのくらいか?をまとめてみましょう。
その上で、お互いが納得する分担をとりあえず決めて、生活の中でお互いに助け合い、分担についてお互い不満はないか?を
定期的に話し合う時間を持つことが、今の日本に欠けている習慣だと言えるのではないでしょうか。
それでは、家事の分担でお二人の絆が深まり、今後の生活が愛情にあふれたものとなるよう、お祈りいたします。