掃除のアイデア

【ステンレス掃除】なんだ知らなかった!やかんの正しいお手入れ方法

突然ですが、台所にはステンレス製品がたくさんありますよね。

 

シンクやボウル、鍋にやかん、水筒の内部・・・

ステンレス以外にはアルミや鉄、銅やホーローなどがあります。

 

材質によってお手入れ方法は異なりますが、

どれも同じように掃除していませんか?

 

掃除に使う道具や洗剤には、材質によって向き不向きがあります。

今日は、ステンレス製品の特性とお手入れ方法を

『やかん』を例にご紹介いたします。

 

ステンレス製品の特性と錆びる原因

錆び

昨今の台所製品の素材として代表的なのは、ステンレスですよね。

 

錆びにくいし、丈夫で扱いやすい。

 

そんなステンレスですが、その特性について

知っている方は少ないのではないでしょうか?

 

『ステンレスは特別な素材で、鉄などとは一線を隔している』と

勘違いされがちですが、実は違います。

 

ステンレスの大部分は鉄で出来ています。

 

鉄にクロムやニッケルを加えた合金鋼なのです・

 

・クロムを13%加えた13クロム鋼

 

・クロムを18%加えた18クロム鋼

 

・18クロム鋼にニッケルを8%加えた18-8鋼

 

この3つがステンレスの基本です。

 

鉄には、クロムを添加していくとだんだんと

錆びにくくなっていくという特性があります。

 

その特性を利用して台所用品にも重宝されているステンレスは、

100%リサイクル可能な材料として環境に優しいという点でも

大変注目されています。

 

また、耐食性・耐熱性・加工性・強度が高く、

意匠性(美しさ・デザイン性)にも優れ、

メンテナンスが容易であることも大きな特徴です。

 

ステンレス鋼は、JIS規格だけでも100種類以上もあり、

さらに各社が開発した独自鋼種もあります。

 

そんなに種類があるなんて!と驚いてしまいますよね。

 

ちなみにステンレス鋼は英語で「Stainless Steel」と言い、

“錆びにくい鋼”という意味です。

 

鉄にクロムを添加すると錆びに強くなる理由は、とてもシンプルです。

 

クロムが酸素と結合して鋼の表面に薄い

保護皮膜 (不動態皮膜)を生成することで

いわばカバーをつけたバリア状態となり

錆びの進行を防ぐのです。

 

この不動態皮膜は100万分の3mm程度のごく薄いものですが、

大変強靭で、一度こわれても、周囲に酸素があれば自動的に

再生する機能をもっています。

酸素さえあれば蘇るバリアなんて、最強!ですよね。

 

しかし、残念ながら無敵なわけではありません。

 

特定の環境・使用条件の下では「さびる」ことがあります。

 

≪ステンレス製品のさびる要因≫

 

①塩素イオンに弱い性質があり、食塩やしょうゆなどの汚れ、

塩素系漂白剤などの洗浄剤を付着させたままにしておくと

酸化が促進されるため、錆を発生してしまいます。

 

②塩分、油脂、金属等が付着したまま、長時間放置すると

酸素が充分に供給されず、酸化皮膜が形成されにくくなり、

錆びることがあります。

 

③異種金属(たとえば濡れた鋼の包丁)を、

流し台のステンレス面に接触したまま長時間放置すると、

鉄が酸化して鉄錆となり、密着したステンレス表面も

錆びることがあります。

 

これはいわゆる「もらい錆」です。

 

もらい錆は初期の段階では表面的なものですが、

そのままにしておくと内部まで侵食されます。

 

つまり、ステンレスの錆の3つの原因は、

①酸化 ②酸素不足 ③もらい錆

ということになりますね。

 

では、肝心のお手入れ方法ってどうしたらいいの?

 

次の項目でご紹介させて頂きますね。

 

☆正しいやかん掃除の道具とやり方☆

ステンレス製品の錆の原因が分かれば、

防ぐにはそれらを避ければいいということですね。

 

具体的な例として、ステンレスのやかんはどうでしょうか。

お湯やお茶を沸かすだけだから、あまり汚れない?

 

外はハイタ―で漬け置き、中はすすぐだけ?

あれ、塩素系洗剤はNGだったような?

 

意外と知らないやかんのお手入れ方法・・・

 

それではさっそく道具と洗剤、やり方をご紹介します。

 

≪道具≫

重曹

・重曹

 

・クエン酸(酢でもOK)

 

・メラニンスポンジ(スポンジにラップを巻き付けたモノでもOK)(硬いタワシはNG)

 

・目の細かい布(破れたストッキングでもOK)

 

・クッキングペーパー

 

≪方法≫

外側の汚れ

やかん

外側にこびり付いた汚れは≪油≫です。

 

やかんはお湯やお茶を沸かすものなので、

油は関係ないんじゃ?と思いがちですが、違います。

 

台所は油を使う場所ですので、そこに置いてあるあらゆるものは、

油がはねたり、蒸散して空気に混じった油が冷えて付着します。

 

油が付着したまま火にかけて使用することで、

油は焦げてさらにこびり付いて固まります。

 

なかなかやっかいですよね。

 

そんな頑固な汚れには、『重曹』が効きます。

汚れの度合い(段階)によって方法が異なりますので、分けて紹介しますね。

 

1軽度な汚れ

重曹をパラパラと全体にふりかけてメラニンスポンジでこすり、

水で流した後布で拭きあげます。

 

2中度の汚れ

重曹をパラパラとふりかけて濡らしたキッチンペーパーを貼り付けます。

10分置いた後、ペーパーをはがし、再び重曹をふりかけて

メラニンスポンジでこすります。

水で流した後布で拭きあげます。

 

3重度の汚れ

2Lの大きな鍋にお湯を沸かし、そこへ重曹大さじ5杯入れます。

そこにやかんを沈めて、ぐつぐつと5分ほど煮ます。

その後1・2と同じ要領で拭き上げまでを行います。

 

※大なべが無い場合

 

煮る代わりに、バケツ等にやかんを入れお湯で10分間漬け置きします。

以上の方法で、驚くほどピカピカになりますよ。

 

硬いタワシでこすってしまっては傷がつき、

修復困難な上に汚れも付きやすくなります。

 

※既にたくさんの細かい傷がある場合

 

重曹を3水1の割合で重曹ペーストを作り、やかんを磨きます。

 

ある程度汚れが落ちたら、フェルトディスク(百均にあります)に、

青棒(ホームセンターで数百円)を塗って磨きます。

 

この研磨方法は、傷のついたステンレスのシンクにも使えますので、

購入しても無駄ではないと思います。

 

内側の汚れ

内側の汚れは水垢(水道水に含まれるミネラル分が固まったもの)です。

 

お湯が蒸発する時にミネラル分だけが残るので、

ざらざらとした汚れがこびり付きます。

 

水に含まれる成分からの汚れですので無害ではありますが、

あまり気持の良いものではありませんよね。

 

そんな内側の汚れに聞くのは『クエン酸』です。

 

やり方は外側よりシンプルです。

 

やかんに水をたっぷりと入れ、そこに小さじ1のクエン酸を溶かす。

火にかけて沸騰させたら火を止め、1時間置いておく。

 

クエン酸水を流し、水ですすいだらクロスで水滴をふく。

これで、内側はすっきりピカピカ、新品状態がよみがえります。

 

まとめ

ステンレス製品について、ご理解頂けましたでしょうか?

 

身近な素材にも意外な特性があり、

その掃除に向いた方法は様々です。

 

『多分こんな感じ?』というあやふやな知識で誤った

掃除のやり方をしてしまうことによって、製品の寿命を縮めたり、

汚れがひどくなって劣化したりします。

 

良い製品を長く使っていただくためには、正しい知識をつけて、

正しいやり方でお掃除に取り組むことが大切だと

言えるのではないでしょうか?

 

さっそく今日から、やかんの正しいお手入れをはじめてみて下さい。

 

やかんで沸かしたお湯やお茶は口に入れるものです。

 

清潔な状態を保てると、自然と気持ちがすっきりして前向きになれると思います。

水を注ぐ

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