今回は、整理収納の視点からキッチンのお掃除を楽にする方法をお伝えしていきたいと思います。
キーワードは≪減らす≫≪置かない≫です。
さて、何を置かないのか?何を減らすのか?
それは、意外な答えかもしれません。
今日はこれをじっくりお伝えしていきますね。
今すぐはじめたいキッチンのアレを≪減らす≫習慣
整理収納のご依頼を頂く場所で最も多いのはクローゼット(衣類収納)なのですが、
その次に多いのが、キッチン収納です。
クローゼットは、どんどん増える衣類に対して収納場所が増えるわけではないため、多くのお客様が悩まれ、ご自身で何度整理してもリバウンド(また散らかる)現象が起きます。
それに対してキッチンは、食器や調理器具が増え続けることはあまりありません。
それなのに、クローゼットと並んでプロに依頼が多い理由はなんでしょうか?
それは、ダントツ掃除が面倒だからです。
「なぜか分からないけど、すぐごちゃごちゃするんです!」
その『なぜ?』は、『掃除』と大きく関係しています。
掃除が行き届かない場所は、必ずと言っていいほど雑然とし、ものが増えていきます。
必要なモノが見えなくなるほどキッチンにものがあふれているのなら、それはキッチンが汚れている証拠です。
キッチンの掃除と言えば、水回り・コンロ周り・食器棚・冷蔵庫・床と、大きく5つの場所に分けられます。
汚れの種類は、油汚れ・水垢・手垢・カビ・菌・ほこりとあらゆる汚れの全員集合状態、その上に、ほこりと油汚れは仲良しで、くっついて頑固なこびりつき汚れに変身します。
そのためこまめに掃除していないと、ベタベタ・どろどろ・がちがちの汚れがこびり付き、見た目にも明らかに不衛生な状態になってしまいます。
少しさぼっただけで汚れの目立つ場所だからこそ、あるものが異様に増えていく現象がおきます。
そう、それは『洗剤』です。
みなさんの家庭のキッチンには、何種類の洗剤がありますか?
数えてみて下さい。
それをどこに収納していますか?
シンクの隅にごちゃごちゃと置いてある、そんな方がたくさんおられます。
実は洗剤の数が多ければ多いほど、キッチンは汚れています。
あれ?逆ですよね。
掃除するための洗剤が多いほど、掃除できない?!
変な話ですが、そうなんです。
いえ、掃除できないから、洗剤が増える。
と言う方が正しいかもしれません。
掃除が苦手な人ほど、CMで簡単に汚れの落とせそうな新商品が出ていたら飛びつきます。
そして購入した新しい商品を早く試したいので、古い商品がまだ残っていても新品を開封してしまいます。
すると、あら不思議。
使いかけの洗剤がどんどん増えていきます。
捨てる理由はないからです。
肝心の新商品の使い心地は?
残念なことに、『あまり変わらない』ことがほとんどです。
なぜなら基本の成分は同じで、全く新しい内容の製品など殆ど無いからです。
洗剤の成分には数種類ありますが、基本の成分に何を付加しているか?の違いによって、新商品となって発売されるのです。
香りが違う、洗浄効果の強さが違う、泡切れが違う、泡持ちが違う。
様々な要素に新しさを見出して、さもまったく違うものかのようプロモーションがなされますが、結局汚れはどれを使っても、正しく使えば汚れはちゃんと落ちるので、あとは使用感の好みの問題です。
さて、ここで一つ問題なのは≪新商品は永遠に出続けること≫です。
企業は競って新商品を開発します。
そして、新商品が出るたびに飛びつきたくなる性質はなかなか変わらないので、台所には洗剤がいくつも並ぶ状態が日常化します。
するとどうでしょう?
シンクの横などが洗剤に占領され、掃除する事が面倒な状態が完成します。
きちんと整理整頓できていればいいのですが、そうでない場合はそこにどんどん汚れがたまっていきます。
1か所汚くなると、掃除する士気は下がってくるもので、その他の場所の汚れにも目を背けてしまうようになるのです。
そんな悪循環が起こる前に出来ることがあります。
≪用途別に洗剤は1本しか置かない≫
これにつきます。
もし試したい洗剤がいくつかあるなら、もちろん購入してもいいですが、出しておく洗剤は1本を厳守して下さい。
洗剤のストックはしまう場所を決め、きちんと整理しておきます。
ストックする場所に収まる本数以上は購入しないルールを決めるのがおすすめです。
これが、洗剤を≪減らす≫習慣です。
今すぐはじめようキッチンにアレを≪置かない≫習慣
次にお伝えしたいのは、皆さんのご家庭のキッチンの大きな面積を占めているアレについてです。
床の汚れを防いでくれる、必須アイテムと言えば?
そう、ご存じ『キッチンマット』です。
とうぜんあって然るべき、ですよね。
そんなキッチンの床を守る必須アイテム『キッチンマット』ですが、最近実は
≪置かない派≫が徐々に増えているのをご存じでしょうか。
え?なんで?!と思われるのも当然、キッチンマットには大きなメリットがあります。
メリットを大きく3つあげると
①水・油の汚れが付く、広がるのを防いでくれる
②床を衝撃から守ってくれる
③足元の冷えを軽減してくれる
とても、大切な役割ですよね。
「でも、マットはキッチン全体をおおっているわけではないから、それ以外の場所が汚れるのはどうなの?」
という意見もあります。
もちろん、跳ねた水や油は、もちろんマット以外の場所にも飛びます。
やっぱり、マットを敷いた場所以外が汚れるから、キッチンマットはあんまり意味ない?と思われることもありますが、それは違います。
実はキッチンマットが必要な大きな理由は≪汚れの広がりを防ぐ≫方にあるのです。
水や油はそれを踏んだ足やスリッパの裏に付き、さらに広範囲へと移ります。
マットの最も重要な役割は、動きまわる人の足やスリッパを拭くことで、汚れの広がりを軽減するところにあります。
試しに、スリッパをはかないで、キッチンマットを外して炊事をしてみて下さい。
足の裏の感覚で、水・油汚れをダイレクトに感じると、やはりキッチンマットのありがたみを感じます。
キッチンマットを敷く利点をお分かり頂いたところで、デメリットも3つご紹介します。
①掃除の度に、マットをどける必要がある。
②マットを敷いたまま掃除機をかけると、隅に汚れがたまる。
③マットを洗濯する必要がある。
さて、これはキッチンマットを使用されている方は感じたことのあるマイナス点ではないでしょうか?
キッチンマットをどけて掃除をする、大きなマットを他の洗濯物と別に洗う、どちらも相当面倒くさいです。
マメで掃除好きの方は、全く問題ないと思いますので、これからもキッチンマットをご愛用頂くべきだと思います。
問題は、「そうそう、面倒なんだよね。
実はキッチンマット年に数回しか洗濯しないし。
キッチンマットがあるから、床の拭き掃除しないし。
掃除機もそのままかけるから、隅に汚れがすごくたまってるけど、見て見ぬふり。」
という方です。
「ぎく!」
と感じたあなたです。
キッチンマットは≪置かない≫ことにしませんか?
キッチンマットがあるままだと、むしろ不衛生です!
どう考えても、メリットよりデメリットも方が大きくありませんか?
傷に関して言えば、キッチンマットが無いと確かに不便です。
でも、ものを落とすのはキッチンマットの上だけとは限りません。
傷がもし気になるようであれば、キッチン全体にワックスコートを頻繁にかけることをおすすめします。
また、キッチンマットが無いことで必要になるものがあります。
ありきたりですが、デメリットをカバーする有効なアイテムです。
- モップ又は床用ワイパーです。
また、デザイン性がお嫌いでなければ、
- モップスリッパ
を合わせてお使い頂くと完璧です。
ポイントはキッチンのすぐ手のとどくところにモップを置いておくことです。
仕舞い込むのではなく、むしろ出したままの方が良いでしょう。
油を使ったあとにササッとすべらすだけでOKです。
食器を洗って、洗剤や水が飛んでも、モップをすぐにかければ水拭きになります。
スリッパをはかない方は、むしろ汚れにすぐ気づけるので良いくらいです。
また、『洗えるスリッパ』もおすすめです。
洗濯機で洗えるスリッパなら、汚れても頻繁に洗濯するのが苦になりません。
キッチンマットがないことで掃除機は簡単にかけることが出来るので、日々のキッチン掃除が格段に楽になります。
モップやワイパーは、使い捨てのタイプや洗い替えのタイプ、雑巾をはめて使えるタイプなど種類が豊富です。
ご自身の使いやすいものを選んでいただいたら良いでしょう。
まとめ
≪洗剤を減らす≫≪キッチンマットを置かない≫習慣はいかがでしたか?
「これならできそう!」と思っていただけたなら、ぜひ試してみて下さい。
お掃除があまり得意でない方、忙しくてマメに出来ない方にはピッタリの方法だと思います。
もちろん、不便だと感じることもあるかもしれません。
そんな時は、自分の感性にしたがって「どうするのが楽かな?」と考えてみて下さい。
家事も進化・進歩するべきです。
何十年も同じやり方、なんてナンセンスです。
じぶんが「これ、面倒くさいな。」と感じることがあるのなら、そこは楽をするチャンスです。
面倒なことを排除するやり方を考えれば、明日からの家事がきっと何倍も楽になりますよ。
今日のアドバイスが少しでもあなたの『楽な家事』のお役にたてたら幸いです。